フラッシュバックの教訓

せっかく、Nack5が30周年記念の特別番組編成、豪華キャストでやってるのに、ここのところの仕事は文章校正、文章の構成の見直しだったり、他人の書いたプログラムを読んだりで、ラジオがあると仕事にならない。残念です。とっても。大野さんと亀梨くんの対談を聴きながら、スイッチを切った。

さすがに「古傷」だから、かなり客観視は出来ているようで、比較的早めに抜け出せて良かった。なんだったんだろうと思いつつ、教訓を一つ見つけた。これが答え、ではないかも知れないけど。
意味のないことは、何も起きない。起きたことには全て意味がある、らしい。

30代までの僕は、とにかく強引で自己主張や承認欲求が強く、あまり他人のことは気にしなかったと思う。結婚できなくて当然。それが、盗聴やら盗撮あたりから、一転して(じゃなく、徐々に、か?)他人の顔色を読むようになった。相手の反応を見ながら、リアクションが遅れる。中にはあからさまに「愚鈍な奴だ」と決めつけて、見下してくる人も少なくなかった。たぶん、山の神もそうなんだろう。なんとなく馬鹿にしてかかって、見下されているのがわかっていても、引きこもりが長かった後だから、これは仕方ないんだろうか。
ただ、結果的にそれが積もり積もると、結構な破壊力を持ってくる。盗聴とか盗撮ばかりではなく、これも、結構フラッシュバックがキツイ。わかっていても、痛みを感じることがある。

先週の授業を思い出した。今、専門学校では(ちょっと強引に)自分の担当科目だけではなく、国家試験対策の要点整理で、全教科を授業で扱っている。今年は、ちょっとした危機感を感じているもので、古い教材を引っ張り出した。
専任教員時代、千葉キャンパス最後の1年間は、臨床工学を担当する専任教員が自分一人しかいなかった。国家試験対策も、僕が臨床医学まで含めた全教科を扱った。門前の小僧ではあるけれども、学生時代からの医用工学だから、医学系の専門書、教科書もそこそこは読んでいるし、仕事でも知識は補充してきた。一教科一コマでの学生の国家試験対策くらいなら、なんとかなる。僕一人だったけれども、合格率では池袋キャンパスに負けていなかったし。

ふと、気づいた。僕の担当科目、生体計測とか、電気工学、電子工学などの分野はとても苦手そうにしていて、授業中に当てても、不快そうに「わかりません」と答える学生が、別の教科では生き生きとしている。そうか、不得意なだけなんだと、あまりにも単純なことに気づいた。一応は教員だから、「見下す」ということはしないけれども、一歩間違えたら「出来の悪い学生」というラベリングはしかねない。学生だって不本意にそういうラベリングをされたなら、やはりなんらかのトラウマにはなるかも知れない。

「なんだ、このトロい奴は」というあからさまに見下しているような意識、っていうのは、ストレートに伝わって来ますからね。もしかしたら、自分がやっていたんじゃないかと、気付いた瞬間に、ドキっとした。やっちまってたかなぁ・・・

特に、盗聴・盗撮以後、電話やFAX、メールなどでも「お願いだから、そんな大事な話をしないでくれ」という意識と、その内容を盗聴・盗撮している(顔も正体もわからない)相手を意識しての表現、直接相手に返す言葉を全部構築したりしていると、どうにも反応が遅れたり、とてもチグハグな返事を返したり、ということも出てくる。端的に言って、第三者に聞かれていることを意識した人間と、そんなことを気にもしていない人とでは、会話が噛み合わない。最悪だったのは、学生救済で単位を出す話が出た時だっただろうか。その後、1年間くらい、激しく壊れていた。何をどうしたらいいのか、どうしたらよかったのか、わからなかった。(今でも、わからん。)あれが引きこもりの入り口。
結局、「馬鹿なやつ、トロい奴」と思われるのは仕方ないにしても、そういう応対をずっとされていると、結構なダメージは残る。そして、ついにダメだと思ったら意識のシャッターを降ろしちゃう。以後は、完璧に事務的な対応のみ。それはたぶん、中学生か、高校生くらいからの癖だと思う。親に対しても、たぶん、ずっとそうだった。
その上というのか、盗聴・盗撮以後は、人間関係なんて、もうグシャグシャ。こういうのは、二次災害っていうのか?

もしかしたら、あの盗聴やら盗撮やらは、僕自身が生まれる前に仕掛けをして来たのかも知れない。ニューギニアだのイギリスだのあたりまで伝わっていたのを知った時は、半分は驚いたけれども、残る意識の半分は「よし、やったぞ」だったかも知れない。今にして思えば、そのおかげで、師匠の存在を全世界にアピール出来ている。ただ、当時のメンタルは、もうギリギリだったかも知れない。
もし、結果的に「完全崩壊」せずに持ちこたえることを見越して計画を立てて来たとしたら、一体俺(今の自分、というよりも、肉体を持つ計画を立てた時点での、意識体の自分)は、どんだけ自信家なんだ、と、思いっきり皮肉を言いたい。自分に対して。

悔しいけれども、消化しきれるには、まだ時間はかかるのかも知れない。ただ、ささやかながら、「わかりきったこと」を見落としていた自分に気付いた点だけは、今回のフラッシュバック、良かったのかな、とも思う。みんな、得手不得手があるからね。

食後の腹ごなし。仕事に戻りま〜す。