民主主義の崩壊

ツイッター「特定意見を検閲する意図ない」 米大統領選
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201118/k10012717971000.html

アメリカの在外公館の外交官が、相当に憤慨している、というか、困っているらしい。

かつてのアメリカは、民主主義の国であって、「都合の悪い言論/運営」に権力が介入するような独裁国家にはかなり厳しい姿勢を示し、外交官らが「民主主義」を輸出しようとしていた。
ところが、現在のアメリカやアメリカ合衆国大統領は、その独裁国家、独裁者さながらに、SNSに干渉している。

SNS側の「コメント」は、多くの人に虚偽の情報を拡散しないための「良心の発露」だと私は思う。
フェイクが、フェイクだとアノテーションされないままに拡散した社会は、混乱を極める。
その、フェイクをフェイクだと、事実確認、ファクトチェックを行うためには、一定の「理解力」が必要になる。最大の問題点は、アメリカ合衆国大統領には、理解能力が欠落している点だという気がする。

アメリカの精神科医が、トランプ大統領の精神状態について警告
https://parstoday.com/ja/news/world-i36147

理解力がない、ことに加えて、自分を美化すること以外に興味がないから、彼にとっては自分に都合の良い「ストーリー」は、それが自分が創造したものであっても「事実」であり、都合の悪い事実は、すべてフェイクになる。結果として、「非民主的な国家の独裁者」と大差ない言動をしている。そうした「事実無根」の事象に、共和党が振り回されている。
加えて、共和党員の大半がそれを信じている。これが、おそらくは海外の一般の良識ある方々には、まるでナチスの親衛隊のように見えてくる。そんなアメリカの言うことなど、徐々に、どの国の人々も、耳を傾けなくなるだろうという気がする。これまで、数十年かけて築いてきた「民主主義の旗手」は、もはや完全に世界の人々の信頼を失うか、もしかしたら嘲笑の対象にすらなりかねない、そんな結果になるだろうと思う。
トランプに失望した、というよりも、トランプを支持するアメリカ人のあまりの多さに対する「失望」の方が、大きいのではないか、という気がする。民主主義など、こんなもんなんだと。

NHKのニュースでは、こんなことも言っていた。

アメリカでツイッターやフェイスブックによる投稿への対応に保守派から批判の声も上がる中、こうした人々の間では新しいソーシャルメディアを利用する人が増えています。

その1つが「パーラー」と呼ばれ、言論の自由を掲げ、原則として利用者の投稿内容をチェックしないとうたっていて、アメリカの過激な極右団体のメンバーが支持の拡大のために利用してきました。

つまり、どんなフェイクや、思い込み、例えば「コロナ対策には、消毒薬を飲用すれば良い」と誰かが投稿しても、運営側は削除も、アラートも付けない。それが拡散して、実際に消毒薬を飲んだアメリカ人が増えれば、当然、遺族はそのSNSを訴えるだろうと思う。ところが、共和党は、SNSの運営側によるファクトチェックにクレームをつけている。それで、共和党寄りの最高裁が、ファクトチェックに対して「言論の自由に反する」などと判断を下したなら、そこから先は、誹謗中傷の書きたい放題が許され、虚偽の内容に基づく誹謗中傷でリアルなビジネスが破綻しても、拡散したフェイクを間に受けたユーザが、消毒薬を飲んでバタバタと死んでも、発言者はおろか、 SNSも責任を負わされることがなく、「事実」とか「真実」などというものが消し去られた社会になって、相当に、アメリカが「面白い」ことになるだろうなぁ。
勝手にやってろ、とは思うけれど。

そうしたアメリカの姿を見たら、もはや、誰もアメリカを「優れた国」だなどと考えなくなる。
それは、もしかしたらある意味で、アメリカ自身がアメリカの「虚像」を打ち砕き、現実のアメリカの姿を世界に見せつけるために、とても大切なプロセスになるのかもしれない。

そうして、アメリカを反面教師とする国は、ある意味で健全な民主主義、「事実」を「事実」として適切に社会的に扱えるような民主主義の制度を模索するかもしれないし、中途半端な経済力でアメリカを見倣う国は破綻し、経済崩壊を起こすだろうし、中には中国の「海外領土」になって、国民全員に共産主義が押し付けられて、アフリカでも義務教育で中国語教育が行われたりなんかして、どう考えても、混乱しか起こさない気がする。

私は、個人的には、まずプログラマ、システムエンジニアとして、ドーシー氏にもザッカーバーグ氏にも、敬意を表したいし、ビジネスを行う立場で「ファクトチェック」を徹底する姿勢には、全面的に共感する。不適切な投稿を繰り返す会員は、排除しても良いくらいの「システム利用の合意事項」に、会員は合意しているはずなのだから、現状では相当に寛容な対応をしているように思われる。それを理解できる共和党関係者がいないんだろう。特に、トランプ周辺には。私など、「利用許諾」に基づく対応をしたなら、トランプのアカウントなど、すぐに消してもいいくらいだと考えるんだけどなぁ。
大丈夫、歴史は正当な評価を下すだろうと、私は考えます。

日本で言ったら、かつての2チャンネルかなぁ。初期の頃は、あそこへの書き込みで、アホなことを書いているトランプみたいなユーザを、DQN扱いして嘲笑う程度に、参加者の全体の「健全な良識」が高かったから、大きな混乱が起きなかったのかもしれない。初期の頃は、ある程度コンピュータを使いこなしていなければ、書き込みだって出来なかったようにも思うから、トランプほどの馬鹿なユーザはいなかった。
もし、今、初期の頃の2チャンネルが登場したら、たぶんこれからアメリカで起きるようなことが、先に日本で起きていたかもしれない。
あえて言わせてもらうなら、相当に「民度」が違うのかもしれない、なんてことは思った。

いや、日本の欠点というか、日本人の欠点なんて、山ほどあるのは承知。だけど、アメリカの民度の低さは、もしかしたら「民主主義」を致命的に崩壊させる引き金になるかもしれない、そんな気もした。