情報科学部2年
オペレーティングシステム
第2回宿題講評

2009/05/6 更新

第2回の宿題は、コンピュータの基礎的な知識を問うものですが、できれば情報科学部の2年生なら全員満点をとって欲しかったと思います。

解答のキーワード

まず、CPUは、「演算」や「制御」を行う中心的な部品で、基本的には全ての入出力にCPUが介在します。(但し、第4回の授業で扱うDMA転送では、CPUを迂回して、メモリと外部入出力装置との間でデータの転送が行われます。)
ボーナス課題では、「制御」や「演算」、「中心的な素子」などの用語がない説明は、0.5点としています。

次にメモリですが、通常「メモリ」と言えば、メインメモリを指します。特に、宿題の「図」でメモリと言えば、メインメモリ以外は考えられません。
メモリは、データを一時的に保管する役割をし、電源が切られるとデータが消去されますが、ハードディスクなどと比べるとはるかに高速です。「高速な」とか「一時的な」という、メインメモリの性質を現すキーワードがない場合は、0.5点としました。

メモリが「命令を出す」ことはありません。動作の説明では、こうした書き方をしたものには満点は出していません。
CPUがメモリから命令語を読み出すのと、メモリが命令を出すのとは、全く別の考え方・表現です。言葉は正確に使ってください。

I/Fはインターフェースですが、おおむね理解はしていたようです。規格の名称という説明でも構いませんし、ハードウェアとソフトウェアの橋渡し役、CPUと周辺機器の橋渡し役、いずれの説明でも点をだしています。

ハードディスクは、「電源を切っても内容が消去されない」という性質があります。従って、長期間の保存に適しますが、メインメモリに比べると低速なので、CPUからのアクセスは、ファイルの読み書きに限定されます。
WORDで文書を編集するときに、CPUがハードディスクにデータを読み書きすることはなく、最初に「プログラムを読み出す」時と、「データを読み出すとき」、「データを保存するとき」以外にはハードディスクにはアクセスしないと考えてください。
但し、例外的に、メインメモリの仮想メモリ空間がいっぱいになって、ハードディスクに「退避領域」が作成されて、データが逃がされる場合がありますが、解答欄の大きさから考えて、こうした例外的な動作を聞いているのではない、ということは理解してください。

キーボードは、「ユーザ(人)が、」「文字を」入力するための入力装置です。
キーボードがCPUに命令をだすことはありません。人がキーボードからコマンドなどを入力するのは、あくまでもCPU側がキーボードからの入力を「読み込む」という動作をしているだけであり、それを「命令」として処理するか、「データ」として扱うか、無視するか、全てはCPUの動作次第、プログラム次第です。
「文字を」というのは大切で、文字単位ではない、ブロック単位の入力装置も他にありますし、「人が文字を」入力するというのが、キーボードの特徴です。

データの流れ

第4回の授業を聞いてください。第4回のテーマです。


講義のページへ